2009年1月アーカイブ

ギブスンの新作。スプークカントリーを読み終えました。

3 つの場面が激しく転換しながら話が進んでいくのは相変わらずのギブスン節でした。

ホリス、チトー、ミルグリムの 3 人の主人公。バラバラの 3 つのらせんが渦を描きながら加速度的にどこかの一点に集まってくる感覚がよんでいてものすごく気持ちよかったです。魅力的なガジェットや解像度の高い描写のためにすべてが伏線や暗示に思えてきて、序盤を読み進めていくのがちょっと辛いのはいつものことですね、私にとっては前作が 4 年前だから許せる話、次回作は気長に待つとしましょう。

注目すべきガジェットとしては AR(Augument Reality = 拡張現実) が出てきましたが話しの軸としては扱われず少々残念でした。とはいえ、ガジェット方面はもう現実の方が面白いですからギブスン作品といえどもそこはもう割り切るべきなんじゃないかと思います。でも、あの白いヤツ(あ、白いって描写はでてきたかな?)の使い方はお見事なので、それは読んでみてのお楽しみ。現実の裏を描くとなるとともすればハードボイルドになってしまいがちなテーマですが、この本は疾走感、爽快感あふれる作品でした。

昨年末にウィリアム・ギブスンの新作の邦訳が出たと言うことで今週から読んでます。

タイトルは「スプーク・カントリー」。

本作は前作の「パターン・レコグニション」に続く現代 SF の 2 作目ということもあり、スプロール三部作との対比もいろいろとってみられるのが面白いところではないでしょうか。例えば、パターンレコグニションの主人公「ケイス・ポラード」とスプロール三部作の一作目でありサイバーパンクの代表作「ニューロマンサー」の主人公である「ケイス」が同名であること。「スプーク・カントリー」には「ボビー」という人物が登場しますが、これはスプロール三部作の二作目である「カウント・ゼロ」の登場人物「ボビイ」とやはり同じ名前です。

また、「カウント・ゼロ」は主要な3場面のカットバックを繰り返すことで物語が展開していきましたが、どうやら「スプーク・カントリ-」もそういうながれで話が進んでいくようです。ただし、そのカットが非常に短いのが印象的です。目次を見たときは章の多さに唖然としました。

読み終えないうちからいうのも変ですが、こういった対比が見つけられる以上は「スプーク・カントリー」の次の作品が気になるのは仕方がないことでしょう。

まだ序盤しか読んでいないためにストーリーの方はよく分かっていませんが、一方でガジェット関係は相変わらずです。前作はインターネットがギブスンの SF に出てきた自体が衝撃的で、電子掲示板やチャットが出てきたように記憶していますが、「スプーク・カントリー」では序盤だけでも GPS やグーグルや iPod がさらっと出てきます。ただ「マックブック」ではなくて「パワーブック」なことと、「ググる」ではなくて「グーグルする」であったのは残念なところです。「ググる」は「パターン・レコグニション」の時も使われていなかったのでそうだったような気がするので、翻訳者である朝倉さんか編集の意図があるのかもしれません。使って欲しかったですけどね。

さらにガジェットの話を続けると、前作に対する記事で私は、現代 SF に登場するガジェットとして携帯電話のことを書いていますが、約 4 年たった今では携帯電話はすっかりコモディティ化してしまいもはやガジェットのうちにも入らない状況になっています。現在の技術革新とそれに伴う生活様式と経済活動の変化の中では、サイエンスフィクションは必ずしも(近)未来のことを書く必要はないわけですが、この作品はどういう話の展開を見せてくれるのか楽しみです。

夏への扉

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夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

ハインラインの猫 SF

ピートかわいいよピート。リッキィかわいいよリッキィ。

分類するとタイムパラドックスものですね。起、承では主人公のダンがあまりにも不憫で読んでて辛かったですが、転で話が動き出すと後は一気にグッドエンドへ。スカッとする作品です。NHK 教育のアニメでみてみたいなぁと思いました。話の結末が必ずしも最後のページだけにあるわけではないという面白い作品です。

僕の記憶が正しければ、秋葉原の三省堂ではちょっと前にSF 特集みたいなのが組まれていて、この本が「ハッピーエンド好きならこの一冊。『ざまぁ』って感じがして気持ちが良い本です」的な文章が書かれたポップで紹介されていたのですが、今思えばさすがに「ざまぁ」はちょっと煽りすぎな気がします。確かに「ざまぁ」とは思いますけど、本質はそこじゃないです。その煽りに乗っかって読んでいくと話の軸と頭の中で予想している話の筋の軸がズレたままハッピーエンドがやってきて、ハッピーエンドに乗っかりきれなくなります。要注意です。

謎のオブジェ

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謎のオブジェ

名古屋市営地下鉄の矢場町駅か金山駅で見つけた謎のオブジェ。青い液体が仕掛けのある複雑に組み合わされたガラス管の中を流れていました。書かれた数字と振り子状の物体から察するに時計と思われます。ずっと眺めて仕組みを把握したかったのですがあいにく時間がなかったので写真だけ撮って通り過ぎました。

ノリ的には神戸ハーバーランドにあるディンドン的なやつです。

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