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誰でも大なり小なり「このひとに人生を変えられた」という人は何人かいると思うのですが、私の取ってそういう人たちのうちの1人であるところの William GIbson --ニューロマンサーとか書いてる SF 作家-- の Twitter のサムネイル画像が換わっていたのでよく見ていたところ、それは Zero History という新作の表紙でそれが 2010 年秋 に発売される事を知りました。

このサイトを見るとホリス、ビゲンド、ミルグリムという前作までの見知った登場人物が出てきていますので、本作 Zero History はパターンレコグニション、スプークカントリーにつぐ 3 部作であることは確実でしょう。さらには、これまでの作品のパターンからいっておそらくはシリーズの完結編であると予想しています。

本シリーズは現在を舞台にした小説ですから登場するガジェットの類も 2003 年出版の pattern recognition には Google とか Hotmail とかチャットが登場したり動画がキーとなって登場し、2007 年出版の spook country には iPod や AR(拡張現実) や GPS が出てきたりと、その当時のインターネット技術、IT技術が反映されいるのが特徴だと思っています。原著で 9月出版、邦訳ともなればさらにその先になるでしょうから手元に届くまでの間はそういう観点から Zero History についていろいろ妄想するのも面白いと思います。これが 2008~2009 年に書かれていたであろうと考えると、 twitter のようなコミュニケーションツールのやそれに付随するリアルタイム検索的なもの、iPhone のようなスマートフォン、黒人初のオバマ大統領就任、リーマン・ショック、マイクロコマースのような経済の仕組み、IT・情報を扱う巨大企業と国家との関係などなどがあげられますがどうでしょうか。当たっているとうれしいですけど。

ビゲンドからの依頼で世の中の裏の謎を追うホリスにまた会えるのは楽しみですね。ミルグリムの薬漬けが治療されているようでそれも楽しみであったりします。惜しむらくはシリーズ 2 作の邦訳を手がけられていた浅倉久志さんがお亡くなりになっているということです。私は翻訳家さんについては詳しくありませんが、海外SFファンにとってはどなたが翻訳されるのかも楽しみなのではないでしょうか。

虐殺器官

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twitter の TL でちょくちょく流れていたので気になっていた伊藤計劃の虐殺器官ですが文庫本が出ていたということで読んでみました。

「言葉」「言語」がキーになる近未来 SF。現実のものではない技術や設定を入れることで人間がどう振る舞うかを考察するのが SF の醍醐味のひとつだと思っていますが、この本はまさにそれ。 軍の暗殺部隊で活躍する主人公の殺人に対するこころのありようの変化がはなしのテーマとなっています。

一方ガジェットについては暗殺チームが使用するオルタナと呼ばれるコンタクトレンズ風の眼球に直接貼り付ける AR デバイスや。ナノマシンを使った光学迷彩、負傷を痛覚なく知覚のみで認識できるようにするバイオナノマシン、筋肉が張り付けられた乗り物などなかなかクールな感じでした。

個人的にはその昔、マルチメディアとかインタラクティブみたいな言葉に対する感覚と同じような微妙に恥ずかしくそして外してるなという感覚が「近未来」という言葉にもありましたが、 現在にあっては近未来 SF というジャンルの存在感が別の意味を持って大きくなってきた気がします。その理由として、現在の技術進歩によって時代が SF に追いついたということだけではなくて、やはり 2001年9月11日の事件の影響を否定できないことがなんとも複雑な事ではあります。9.11 の事件はかつては 「現実にはない設定」として扱われていた事柄です。それが今では著者・読者双方共通の認識として扱われることになったわけですから、近未来の意味するところが代わるのも当然といえるでしょう。この本を読んでそんなことを思いました。

2009 年も割と硬軟おりまぜてこつこつ、いろいろ読めたと思います。ということで総括してみました。

■ 夏への扉

「あの日あの時あの場所で」で的なタイムパラドックスもの。「時かけ」の人がアニメにしたら「あんまり好きじゃないけど」っていいながら 2 回観てしまうかも。

■ スプーク・カントリー

2010年になってもギブスンは健在。前作パターンレコグニションもそうでしたが現実がいかにあやふやなものかを突きつけられてる感がたまりません。ストーリーの加速感というかは異常。昨今の twitter 的なはやりとか電子書籍とかクラウドとかオバマ政権誕生とか世界的なエコ推進とかそういう現実を観ると、ギブスンはまだまだいけると思う。

■ 時間封鎖(上・下)、無限記憶

まだ完結していないので評価しづらいけど、恐怖というか畏怖というか、とにかく強烈なセンスオブワンダーを感じる話。読み始める前はタイトルから受けるインスピレーションからいろいろと話の筋を想像するのだけど、それを遙かに超える面白さ。

■ 虎よ虎よ

一時の気の迷いで読んだ本。特段おもしろかったというわけではないけど、あ、こういうのもあるんだ、という感想。来年は寅年だし読んでみるのも良いのでは?虎出てこないけどね。

■ 星を継ぐもの

この中では夏への扉の次に誰にでもおすすめできる話。最初に謎が提示されて最終的にはその謎がすっきり解けて終わるというミステリー仕立てできっちりとした話。おかんが言うところの「あの子、しっかりした子やわぁ」的な手堅さ。時間・空間ともに広がりのある物語す。

■ 都市と星

クラーク著。読み始めと読み終わりの印象が全然違った物語。クラークの作品の人に勧めるのであればこれじゃなくて去年読んだ「幼年期の終わり」の方を進めるかも。海外のSFってともすればキリスト教的背景が構成要素として織り込まれてるものですけど、それが一切ないのでこの話は好き。

■ ハイペリオン(上・下)ハイペリオンの没落(上・下)

これまた美しい物語。長いので途中から惰性になるけど叙事詩ってそういうもので、気づいたら4冊読み終わってた。読むこと自体に意義があるもんだと思う。まだ 4 冊続くのが楽しみでもありしんどさでもあり。

「ハイペリオンの没落」の上下巻を読み終えました。ハイペリオンから通して 4 冊にして一 応の完結です。 各巡礼の運命が辿り着く先は? 連邦とアウスターの戦争については? と「ハイペリオン」で広げられた様々ななぞがこの「没落」で話が進んで行くにつれて明らかになっていきます。

謎が一通り解決され、物語もきちんと結末を見せたものの次巻エンディミオンへの余韻を残しての完結です。長編を読むと普通はエピローグに入ったあたりから残りのページをめくるのが 寂しくなってくるものですが、今回は完結したとはいえまだ続きますから思い切って読めました。

今日続編のエンディミオンを買いに行ったら下巻しかおいてませんでした。上巻だけだれかか
ったのでしょうか?どのみに下巻も読むはずなので併せて上下巻で買って欲しいものです。

ダン・シモンズの長編叙事詩 SF です。長編といっても本作のあとにまだ「ハイペリオンの没落」「エンディミオン」「エンディミオンの覚醒」と続いてそれぞれが上下巻に分かれいるうちの2冊分ということです。

大長編ということでこれまで避けてきましたが、とうとう読み始めてしまいました。評判通り相当のおもしろさです。とはいっても 全 4 作 8 巻のうちの 1 作 2 冊を読み終えたところであって、全体的にはまだ起承転結の「起」ですから、登場人物と舞台がそろったところで終わります。

表紙の印象からややスペースオペラっぽい感じを受けていてこれまで敬遠してきましたし、実際読んでみてその嫌いがあることは否定しませんが、その話の長さも相まって 1 年前ならそもそも読むこと自体を躊躇した作品であることには間違いありません。私にとっては今になって読む準備と覚悟が整ったという感じでしょうか。この物語でしばらくは楽しめそうです。

クラーク御大の小説です。 10 億年後の地球に存在するコンピュータによって人の寿命すら計画されたの都市ダイアスパーに住むアルヴィンのお話です。コンピュータに管理される都市の話と言うことで、はじめのうちはネタバレから始まるマトリックス的なお話かと思いましたが、全然違いました。

テーマとしては同じくクラークの「幼年期の終わり」に似ていて、それをさらに重厚な SF にしたというか、もうどこまで書けばネタバレになるのか分かりませんが、だんだん話が大きくなっていき、最後に「ふわー」となっておしまいです。それがクラークのスタイルなんだから仕方がありません。10億年とか言われてもピンとこないつー話ですが、そこが話の開始地点でそこから「ふわー」と行きます。もっていかれます。

以前から気になっていた「星を継ぐもの」を読み終えました。月面で発見された 5 万年前の人の死体の期限を巡るミステリー作品です。そのチャーリーと名付けられた死体とその遺品から次々に明らかになる事実を元に、最終的にはタイトルにもあげられている「星を継ぐもの」の意味が分かるという流れです。

登場する多くの研究者が既存の知識や常識に捕らわれてしまい死体から明らかになった新事実をありのまま受け入れられない一方で、生物学者のダンチェッカーが学問的な理論とチャーリーから得られた新事実をもとに演繹的に謎を解き明かそうとする姿勢が印象に残っています。

全体的にほっこりした暖かみのある話だと思います。妙な緊張感やこ難しい理論もなく、話自体もそれほど長いものではありませんので、誰にでも勧められる良い Sci-Fi です。

neuromancer.jpg

会社帰りにヨドバシアキバ 7 階の有隣堂に寄ったところ、ハヤカワから出ているニューロマンサーがカバーの絵が新たにトールサイズになって新登場していたので、思わず買ってしまいました。

ハヤカワのSF文庫が 2009 年 4 月の新刊からトールサイズになったのは知っていましたが、ハヤカワのサイト調べてみたところ、「2009ハヤカワ文庫の100冊フェア」というキャンペーンで既刊がトールサイズ化されたようです。順列都市なんかはカバーの絵は既刊と同じでサイズだけトールサイズになっていますが、ニューロマンサーは以前の絵とはえらい雰囲気の違うものになっています。ここまで違うとなんだか別の物語のような、読んでみたら実は細かいところが変わってるんじゃないかと思ってしまいますが、新訳ではありません。本と文字のサイズが大きくなった以外は同じです。

でも、買ってしまいました。

徹頭徹尾、主人公であるガリバー・フォイルの執念が描写された物語。読んでるとものすごくアツい話です。アメコミ的、ダークヒーロー的物語です。私は好んで読むジャンルじゃないけど、ここ最近はゴツい話ばかりを読んでいたから、たまにはこういうのも良いよね。

エンダーのゲームはほとんどエヴァ

ヨドバシ AKIBA 7階にある有隣堂で見つけたエンダーのゲームと紹介のポップ。確か「アキバ向け夏の100冊」みたいなコーナーが出来ていてそこの1冊にエンダーのゲームが選ばれていたのですが、ポップの内容が面白かったので撮ってしまいました。その文章は次のような内容でした。

「ほとんどエヴァの世界!!/ SF ファン必読の1冊。/少年の心が崩れるのか、戦争が/終わるのか地獄のデッドヒート」

エンダーのゲームとエヴァを「ほとんど同じ」と言い切ってしまう辺りに有隣堂さんの商魂を垣間見た気がしました。同じなのは主人公が未成年で設定が世界系というだけです。

全部こんな煽り的な文章ばかりなのかと思いきや、写真でも下の方にちらっと見えてる「夏への扉」に対するポップに書かれた文章は、ハインラインとストーリの快活さへの賛辞だったりして、エンダーのゲーム好きなだけにちょっと不憫な感じでした。誤解のないように言っておきますが、続編こそ読んでいませんが私はエンダーのゲーム好きですからね。

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