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天体の回転について (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

ヨドバシアキバの有隣堂で適当に買った一冊。にしては大当たり。ちょうど日本人が書いた SF をさくっと読みたいなと思っていたところに、ぴったりの一冊でした。各物語はやや短めの短編で気軽に読むにはちょうど良い長さです。

さくっと読めることがつまらない事かというと、そういうわけではなくて各作品ごとに一本の長編にはしにくいようなちょっとしたアイデアや考察を短編としてまとめられているのでむしろ普段は SF を読まない人にお勧めです。ネタもロボット、宇宙、タイムパラドックス、生物、ファーストコンタクト、電脳と多岐に渡っているのでセンス・オブ・ワンダーを短時間にたくさん味わえるいい本だと思います。

私はタイトル作「天体の回転について」が一番気に入りました。

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

クラークの名作と言われる SF 長編です。

この後に書かれた「2001年~」 を知っていると「幼年期の終わり」という題名で話のスジを若干読めてしまったり、何処かの映画で既視感のある場面があったりしましたが、それは名作古典なら仕方のないことなのかもしれません。本作はそれを差し引いてもすばらしいものでした。クラークの文章はどうしてこんなに美しいのでしょうか?

内容をジャンルに分けるならば、いわゆるファーストコンタクとものになりますね。読後感はしばらくは「つかれた」でも「やられた」でも「うーん」でもましてや「がっかり」でもなくて、ただため息が漏れるだけで何も言葉が出てこない感じです。すばらしい。

数学ガール/フェルマーの最終定理

数学ガールの続編です。もちろん前作を読んでいたほうが登場人物の前提知識がある分深く読むことができますが、前作が未読でも楽しめます。

予想が立てられた 360 年後にやっと証明されたというフェルマーの定理(n≧3 の自然数で x^n + y^n = z^n が成り立つ 自然数の自明でない解 x, y, z が存在しないというやつ )ですが、それを証明するために高校生の男女が Boy meets girl な、奇妙な物語の本。

内容についてですが、実際証明が載っているのは n=4 のときだけであとは概要説明です。でも、一般的な n についての証明の説明をされても困るのでそこを指摘するのはお門違い、むしろ n=4 の時の証明を理解できる事の方に驚くべきで、本はピタゴラスの定理から始まって後述のキーワードのようなトピックが出てくるんですが、それらがきれいに最後の n=4 の時の証明に繋がってきて、読後感は張り巡らされた伏線が最後にきれいに回収される良くできたミステリーを読み終えたようなそんな感覚でした。ハリーポッターとはまた違うカタルシス。

以下、キーワードですが

  • 背理法
  • 互いに素
  • 原始ピタゴラス数
  • mod
  • 虚数・複素平面
  • オイラーの公式・定理
  • テイラー展開
  • 群・環・体
  • 無限降下法

見てのとおり高校の数学では習わない、もしくはメインストリームではない分野が中心ですが、複雑な計算はない(と僕は思いました)ので興味がある方是非。コマ大が好きな人は本書も好きになれると思います。

萌えな感じがちょっと私には馴染みづらかったですけど、ブルーバックスかなにかで同じ事が書かれていても絶対に読むはずもないので、そう言う意味では物語形式にして、読んでいる自分が考えるのではなく物語の主人公に考えさせるのはうまいことしたなぁという感じ。

やっと読み終えたというか、話が終わりました。

これはいいカタルシス。

風の谷のナウシカが実は「トルメキアクロニクル - クシャナ王妃の巻 -」であり、また映画版の指輪物語が「サムのお供はつらいよ」で、スターウォーズが「ドロイドは見た - R2D2 C3PO 珍道中編 -」であるように、冒険物語というものは得てして主人公をとりまく第三者の目から語られるものでもありがちなのですが、ハリーポッターも大別するとそういう風味になっております。

私が読み始めてからは 8,9 年ですが、やっと完結です。長かったですね。

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)

ハリーポッタの最終巻がついに発売されました。思えば、M1 のときに同級生に触発されて 1, 2 巻を原著で読んだことにはじまって、足かけ訳 8 年、やっと最終巻です。

実はアカデミック or テクニカルな文章以外で英語を読んだのは当時のハリーポッターが初めてでした。3 巻のアズカバンの囚人も原著を読みすすめていたのですが、読んでいる途中で映画に追いつかれてしまい以降は日本語版にシフトしました。

読み始める前の今は、どういう物語なのか非常に気になっている反面、読み終えたらそれで終わりなわけでそれもまたもったいないようなちょっと複雑な気持ちです。夏休みですから読書感想文の宿題の題材にする子どもたちも大勢いそうですね。

これは重い。設定が単純なだけにその重さは読み終えても肩から降りてくれない感じがする。しかし撒かれたテーマや設定がたくさんあって続編を読みたくなるのもまた事実。よくぞまあ途中で投げ出さなかったと、縛りつけられて義務感で読んだ感じ。いい意味で。

実は一昨年に原著を買って半分ぐらいまで読んでいたのだけど、挫折してハヤカワを買って読んだ。ちょうど挫折したところは「起」から「承」のところに行くあたりだった。

とにかく今はおなかいっぱい。

最初はハリーポッターに似ていて、最後の方はちょっとナウシカを思い出す感じ

数学ガール

後で書く。すがすがしい。今なら初めて読んだ当時は飛ばした The Art of Computer Programming の 1.2 章の数学のところが読めるような気がする。

日本人礼儀作法のしきたり (青春新書INTELLIGENCE 181) (青春新書INTELLIGENCE 181)

これ読むくらいなら小笠原流のお作法教則ビデオを見たほうがまし? 日本人が受け継いできた礼儀作法の根底にある由来やトリビア的なものを求めていたのだが、ちょっと外れた。しきたりとタイトルにあるわりには由来などの紹介よりもマナーなどの説明の多さが目についた。マナーとしきたりの違いって何かと問われると答えるのには難しいが…。

同じ著者からひとつまえに発売されでた「日本人 数のしきたり」を今読んでいるがこっちはよくできている感じがする。しきたりシリーズはほかのいろいろあるみたいだが、その勢い乗って…的な感は否めない印象を受けた。

新しい太陽系―新書で入門 (新潮新書 238)

冥王星が惑星から外されたのは記憶に新しいところですが、我々はマスコミの過熱気味な報道によってそれを知ったがために、それが意味するところをあまり理解できていないのではないでしょうか。ましてやその時まで惑星の定義自体が確立されていなかったことを知っていた人はどれくらいるのでしょうか。
本書はアジア代表として惑星の定義に携わった人が書いた太陽系全体の紹介書です。したがって、肝である冥王星のくだりは本書の最後に少しある程度ですが、太陽、そして水星からはじまり海王星までの説明がすばらしく最後につながります。

読み終わったときはコース料理を食べ終わった満足感にも似た必要充分とでも言うべき感覚でした。

星座はわからなくても水金地…の語呂合わせはほとんどの人が知っていると思います、故に本書も皆におすすめ。

のはなし

中二病」提唱者でおなじみの伊集院光のエッセイ集。ラジオでの所謂「黒伊集院」はこのあたりで垣間見ることができるし、テレビは「スパモニ」や「検索ちゃん」「クイズ雑学王」で披露される博識ぶりもいいが、このエッセイ集ではまたちがった一面がみられた。言い換えるといい意味で伊集院がラジオ弁慶であることを改めて認識したということになろうか。

短時間で読めるエッセイが多く載っているために、電車の中、なにかの待ち時間など時間つぶしに読むには抜群にいい一冊。

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「天体の回転について」読了
「幼年期の終り」読了
「数学ガール/フェルマーの最終定理」読了
ハリー・ポッター 最終巻
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